ComicStudioでレイヤー素材を登録した場合、無条件でその素材がページ内に配置されていた座標も合わせて記録してくれます。
この機能が非常に役立つのは、例えばマンガ家とアシのやりとりの時、ページ丸々を渡すのではなく、部分的な加筆やトーン作業をアシスタントが行って、レイヤーのみ素材として書き出してマンガ家側に渡し、素材を該当ページに貼り付ければ、全く同じ場所に復元できるという非常に効率的で安全な方法を取ることが出来ました。
ComicStudioでは作業している作品ファイルから、部分的にページファイルを差し替えするのは、時に致命的なトラブルを起こす危険があります。(案外そういうトラブルをよく耳にするので…)
そこで、ページの一部を「素材」としてやりとりする方法を取ることで、ファイル管理のトラブルの危険性は少なくなり、データのやり取りも事実上「差分」のみなので、ファイルも小さくて済むというメリットが有ります。
それ故に、CLIP STUDIO PAINTにも早く「素材書き出し」が付いてもらいたい、と製品発表当初から願っているんですが、残念ながらまだ実現はされていません。望み薄なのかなぁ…。「共同作業」の機能で自在にできるようになるのなら、それはそれでOKなんだけど…。
それともう一つ、CLIP STUDIO PAINTの素材登録は、普通のやり方で登録した場合、「座標」の情報は記録されません。
登録された素材をページに貼り付ける方法は、幾つかあります。
- その内の一つはドラッグ&ドロップ。
- もう一つは素材パレットのメニューからコマンド「素材をキャンバスに貼り付け」
- (または貼り付けアイコン押下)
しかし、CLIP STUDIO PAINTの素材をキャンバスに貼り付けると、元あった場所の座標は記録されていないので、必ず用紙の中心に配置されてしまいます。
例えば、こういう素材(「体験授業用サンプル」というレイヤー)を特に何も考えず「素材」登録した場合どうなるか…。
結果はこうなりました。素材のプロパティの「素材のイメージ」にめいいっぱい絵が入っています。
この素材をページに貼り付けると、前述のとおり、そのページの真中に配置されます。しかし元の素材は三コマ目に入っているので、明らかに「座標がずれて」いるわけです。
この仕様はとても困るので、座標を記録する機能を搭載して欲しいと常々思っていましたが、現時点でも「座標」を記録する方法が有ることを最近知りました。
(既に有名で当たり前の方法だったら、自分はまだ知らなかった、勉強になったということで平謝りです。)
その方法を使って同じレイヤーを素材として記録した結果はこうなります。
ちゃんとページの下部に絵が入っているのが「素材のイメージ」を見ればわかります。
ちなみに、元のレイヤーに追加したり加筆したりは一切していません。
この方法は「選択範囲」→「すべてを選択」してから、素材登録すればOK!
やっとこさやり方がわかったわけです。
最近登録したある画像レイヤーが座標を記録していたので、てっきり「あぁ…やっとこの機能搭載されたのか」と思っていました。どうやらたまたま「すべてを選択」されていた状態だったのでしょうね。でも実際はまだ搭載されていなかったのです。
でも「全体を選択しておけば座標を記録出来る」という機能が、セルシスさんにとっては「搭載済み」(解決済み)とという意味を持つとすれば、「ちょっと待って!」と言わせていただきます。
座標はデフォルトで記録されるわけではないので、レイヤー画像を登録後にそのレイヤーに加筆したり統合したりして、再度元と同じ状態で再び登録することができなくなってしまった場合どうするのか…。
座標が記録されていないので登録時と同じ状態の画像を再度素材登録することは不可能になってしまいます。
そこでCLIP STUDIO PAINTへの要望~
- 素材登録時には無条件で座標も合わせて記録して下さい!
- または登録時のプロパティに、「座標を記録する」かどうかのチェックボックス(選択肢)を用意して下さい。
- 素材を貼るときに、「座標通りに貼り付ける」と「用紙の中心に貼り付ける」などの複数の道を用意して下さい!
そんでもって再度要望~!
- 素材のファイル書き出し機能をつけて下さい!
- 素材の並び順をソートする機能をつけて下さい!
自分は結構「素材」の部分に対してはCLIP STUDIO PAINTは不十分だと思っています。これが原因で移行出来ていない人もいるんだろうなと感じます。
ホント頼んますよ~セルシスさま~(T人T) ナムナム