CLIP STUDIO PAINT」カテゴリーアーカイブ

縦スクロールといえばcomicoですが…。

月水金の準備は日火木…って感じの日々なので、先月末の日記に書いたように、一日一日の目先の作業が思ったよりも多くて、自分のモノがなかなか進められません。

昨日書いた幾つかの作品の構想、それだけじゃなく「描きかけで未完成の作品」というのもあります。

このブログの過去の書き込みにその断片が実際に載っていますが、これも中途半端は良くないと思って、再調整をはじめました。
20160602-01この作品が「未完成」のままだった理由は、描きかけの最新データがディスクトラブルでCLIP STUDIO PAINTで開けなくなってしまってげんなりしてしまったというのが最大の理由です。
この「未完成」作品は、左のサムネの様に縦スクロールモノになっています。
実はこれ、comicoのコンテスト応募に合わせで描きかけていたものだったんです。

少々急いで描いたこともあり、絵を意識的に変えようとして失敗して不安定な状態だとか、いざ塗ってみたら色設計がちょっときつく感じて嫌だなと思ってしまったというのも中断の理由に加えておきます(;´∀`)。。。。

ぶっ壊れてしまった最新データに一番近いバックアップも、運良く開けても保存の時にエラーが出てしまうものもあり、無事にちゃんと加工が出来るデータがなかなかサルベージできなかったんですが、なんとか問題のないファイルが見つかったので、せっかくだから構成を見なおしてチャレンジ投稿しようかと思っています。

…とは言っても、今手元にあるのはこの一話分のみです。続きをすぐに更新できるような状態でもないので、数話分(出来れば一段落付4~5話分)の目処が立ってからUPしたいところです。あまり長期間放置するような形にはしたくないので…。
題材は「マンガ」とか「建物」とか「写真」とか「背景」とか…(^_^;)。えっ?構想ではcomico+向けじゃないのでエロはありませんです。

んん~…。でもやっぱエロ漫画家としては、エロネタもやってみたいなぁ。+向けに作ってみるかなぁ…。

ちなみに上のCLIP STUDIO PAINTの作品管理ウインドウのスクショですが、カラーは後ろから描き始めたので、頭の2ページがまだ彩色途中の状態です。そして同じく後ろのページから色の再調整・レイアウトの再調整などをしています。

comicoは通常のマンガと演出技法が違うので、描いてみると結構面白いです。ページマンガの演出技法が通用しないというデメリットもキツイですが、スマホ縦スクロールという形式だからこそ出来る演出方法の可能性には興味があります。

でも、マンガ媒体がいくら多様化しても、やっぱり紙の本が好きです。

(この日のメモ)フォントが入ってない!

この日のメモは、まさに表題の通りです…。


一年生にはCLIP STUDIO PAINTで最初のイラストを描いている段階なんですが、少し順調に進んでいる子が、セリフを入れてマンガ風のイラストを作っているのを見て、漫画でよく使われる「 !!! 」や「 ?! 」などは、CLIP STUDIO PAINTにバンドル提供されているイワタアンチックBの外字に登録されているので、それを使えば?と言おうとしました。I-OTFアンチックStdB

こんな感じの外字です。
「!」や「?」の組み合わせは、マンガでは良く使う漫符の一種ですし、機種依存文字のハートマークもマンガではよく使われます。

でも「CLIP STUDIO PAINT 外字」で「I-OTFアンチックStd B」が表示されずにMSゴシックが指定されていたので、もしやまさかと思って確認してみたら、案の定フォントがインストールされていませんでした。

一応台数分のライセンスがあるんだから、フォントも台数分のライセンスはあるわけだから、インストールして使いたいというのは言うまでもないことです。

これらの「外字」に限らず、マンガの場合は、ひらがな・カタカナが明朝系、感じがゴシック系のアンチゴシック体が使われています。編集さんはよく写植指定で「アンチG」と呼んでいました。やはりこのアンチック体がマンガにはなぜだかしっくり来ます。
オールゴシックだとしゃべりの部分がどうも硬すぎる感じがしてしまうし、オール明朝だと、視覚的になんとなく感じが弱く感じて印象が少し弱く感じてしまいます。これは主観なんだと思いますが、20Q位の文字の大きさだと、太すぎず細すぎずで、絵を殺さず印象がカタすぎず柔らかすぎず読みやすい…んじゃないかなぁと、少なくとも自分はそう思っています。

最近はフォントも多種多様化してきて、マンガでも様々な者が使われるようになってきました。ライセンス城の問題さえクリアするなら、作品にあったフォントを選んで使いたい所ですね。

取り敢えず、フォント入ってないと、近々課題をする予定の「2ページ漫画」の作業で問題があるので、インストールを担当の方にお願いしておきました。早い段階で気づいてよかった(^_^;)。。。

(この日のメモ)明日の準備に奔走

水曜日はDATの授業。
一年生の分と二年生の分の授業の準備をする必要があるので、前日はちょっと慌ただしいです。
なんとなくまだ先週の疲労が残っている感じがしていますが、やることやっておかないと前に進まないので、きっちりとプリントを作成。

一年生はCLIP STUDIO PAINTの三回目で、描ける子は色々と試している状態ですが、しっかりと基礎を覚えて欲しいので、トーン関係を更に詳しく説明。
CLIP STUDIO PAINTのトーンは、「すべてのレイヤーはいつでもトーン化することが出来る」という考え方なので、ちょっと慣れるまではわかりにくいかもしれないんだけど、判るようになるとすごく便利で自在性が高いです。

例えば、「ベタ」は最初から独立したレイヤーに施しておけば、そのレイヤーの透明度を下げてトーン化したら、たちまち「ベタ」→「トーン」になってくれるからうれしい。髪の毛を黒髪ツヤベタで描いた後に、半透明にしてトーン化で、あっという間に茶髪風に返信(;´∀`)ってのも簡単!トーンの濃度は、レイヤーの不透明度を反映する場合と、レイヤーの色や輝度を反映する場合とで操作方法が少し違うので、そこで混乱する人も多いみたいです。でも実はそれぞれに利点があり、欠点もあるので、場所にy取って使い分けるのが良さそうです。どいう使い分けがいいんでしょうね。
ちなみに、自分の判断基準は、「カラーで描くとしたら…」という視点で作ることがいいんじゃないかな…という程度の曖昧なものです。其れがすんなり通用する現場もあれば、そうでない所もあるので、ちょっと難しいですね。
さて、二年生は何をしたのか…と言うと…。
「線対称定規」「曲線定規」を使って「コーヒーカップ」を描くという課題を実施。
使い方わかっていてもやったことがないので、実は出来無いってのは悲しいので、勉強いたします(/_;)

【Windows】CLIP STUDIO PAINT…「登録されている拡張子」の罠

先週の金曜日、東美の授業で「CLIP STUDIO PAINTの旧バージョンの拡張子と新バージョンの拡張子」の話をしました。今週始まったDATの二年生の授業でもこの話に触れました。

既に新バージョンリリースの段階でも、互換性の話と拡張子の話はしていたんですが、昨年度はまだ学校にインストールされているCLIP STUDIO PAINTのバージョンは1.4.3だったため、自宅で1.5を導入した人向けに説明しただけにとどめていました。
新年度に入って学校のパソコンにインストールされているバージョンが1.5以降となっていたため、改めて説明を行いました。東美の春休みの在宅課題の添削時に、自宅の環境が旧バージョンのままの学生がいた関係で、これはきちんと説明しておかないとトラブルの可能性もあると思って念押しのつもりで…

「くれぐれも『.lip』ファイルをVer1.5 で開いて、上書き保存」しないように!」
「さもないと拡張子が『.lip』のままなのに、ファイルが旧バージョンで開けなくなっちゃう!」

…という話をしたんですが…。そこに思わぬ「罠」が…(@_@;)!

「先生、その拡張子って…?私のパソコンでは見えてないんですが…。」

そう、Windowsの標準設定では「登録されている拡張子は表示しない」設定になっているという「罠」があったんです。自分のパソコン環境下では、システムインストール直後の環境設定の調整時に、結構無意識のうちに変えていたのですっかり忘れていました。
拡張子が表示されていない状態とされている状態を比較すると…拡張子非表示+見かけ上、拡張子非表示だとファイル名が全くおなじになってしまいます。アイコンやサムネイルも同じなのでぱっと見では全く違いが解りません。これでは保存バージョンの違いを管理することが出来ません。

そこで、拡張子を表示されるように設定を変更します。
Windows7でのやり方は以下の通り…

(1)コントロールパネルを開きます
これは「カテゴリ」で表示されている状態。
20160419-01ここから「デスクトップのカスタマイズ」をクリック

(2)「フォルダーオプション」を開きます
20160419-02アイコンで表示されている場合は、直接「フォルダーオプション」のアイコンをクリックします。20160419-03(これは、「小さいアイコン」で表示した状態です。)

(3)「フォルダーオプション」の「表示」→「登録されている拡張子は表示しない」のチェックを外します。20160419-04「適用」をクリックすると、表示が切り替わって、拡張子が表示されるようになります。

Windows8.1では、デスクトップを表示させた状態からチャームを表示→設定→コントロールパネルです。

Windows10でも基本的には同じなんですが、Windows10ではコントロールパネルの開き方がわかりにくくなっています。
(1)スタートメニューを右クリックします
タブレットPCの場合は、スタートメニューを長押しで表示されます。20160419-05(2)「フォルダーオプション」ではなく「エクスプローラーのオプション」を開きます。

(3)「エクスプローラーのオプション」の「表示」→「登録されている拡張子は表示しない」のチェックを外します。20160419-06「適用」をクリックすると、表示が切り替わって、拡張子が表示されるようになります。

確かに、エントリーユーザーにとっては、「拡張子」を意識してファイル名を管理するというのは、少しハードルが高いかもしれません。各アプリケーションが自動的に保存形式を隠された拡張子で管理してくれるので一般的な利用では意識する必要がありません。
しかし、少しでも使い込んでいくと、拡張子が表示されていないことによる不都合にぶち当たる可能性は高いです。何しろ画像ファイルはJPEGだろうがGIFだろうがPNGだろうが、開くアプリケーションが同じならアイコンの見かけ上では同じになってしまいます。20160415-12上はWindows8.1の「フォト」で開く設定にしている状態です。
Photoshoで一つの画像を違う形式で保存した状態です。「表示」を「詳細」にした状態で並べてみました。
左側ではファイル名とアイコンが同じで、ファイルの種類が表示される「詳細」で「種類」の違いが解ります。20160419-07しかし「表示」を「中アイコン」「大アイコン」「特大アイコン」にした時には、サムネイルとファイル名が全く同じでになってしまうので、違いが解りません。
拡張子の表示をONにすれば、それぞれがどの形式化一目瞭然です。

一見同じ画像の様に見えていても、違う拡張子だと全く意味が変わってしまうので、デフォルトで拡張子の表示をONにしておくべきじゃないかと思っています。

どちらかと言えば、CLIP STUDIO PAINTというよりもパソコンの初歩の知識なのですが、案外そのまま使っている人も多いのではないかと思って纏めてみました。

 

【CLIP STUDIO PAINT】効率化→トーンの組み合わせを素材化

ComicStudioでは、良く使う定番トーンを「素材」の「お気に入り」に入れてたので、貼る時はそこから「トーン色」を使って貼るという方法を使っていました。
CLIP STUDIO PAINTではその「お気に入り」が無くなったので、どうすれば「効率的にトーンが貼れるか」というのが結構重要になってきます。
22日の東美の授業は、アナ→デジの作業の実習の二週目なので、「効率化」の幾つかの例を示すことにしました。

●貼りたいトーンのセットを作り素材化する

漫画作品を作る場合は、複数ページに渡って同じ種類のトーンを貼るという作業が頻繁に生じます。
複数の種類のトーンの組み合わせを選択して貼る作業は思ったよりも手間がかかり、場合によっては組み合わせのミスが生じたり、貼るトーンの種類や濃度を間違ったりすることもあり得ます。

そこで良く使うトーンの組み合わせを「フォルダにまとめて素材化する」ことで、効率的に作業をすることが出来ます。

  1. 必要なトーンをページに貼って「フォルダー」にまとめておきます
    キャラクターに貼るトーンの場合は、そのキャラごとにまとめるのも一つの手です。トーン+
  2. 一度トーンを何も貼っていない状態にします
    (1)レイヤーパレットでレイヤーを選択
    (2)「選択範囲」→「すべてを選択」
    (3)「編集」→「切り取り」全体選択+
  3. まとめた「フォルダー」を選択して「素材」として登録しますフォルダ選択+
  4. 登録された「素材」を必要なページに貼付けして、「塗りつぶし」ツール等を使って貼ります

同じような方法は、ComicStudioでもよく使ってました。

比較的良く使う方法の一つですが、基本トーンを最初から「テンプレート」に入れておくという方法もありますね。私は「コマフォルダ」→「コマ枠フォルダー」活用派なので、レイヤー数が増える事はわかっていながらコマ単位でトーンを貼るので、キャラ単位のトーンの組み合わせどころか、キャラ単位のフォルダーにしてしまっています。(線画レイヤー複数と白マットとトーン)

レイヤー増やしすぎるのは確かにどうかと思うところもありますが、レイヤー分けてたことで助かったことが多いので、わりと分けて作業するようにしてるんですよね。

ところで、CLIP STUDIO PAINTではページ単位で一枚のファイルに保存する形となるので、レイヤー単位で保存していたComicStudioに比べて、ファイルの容量やファイル保存の時間が結構大きくなります。個人的には一枚のファイルになったことで、レイヤーのサルベージができなくなったのが痛いです。

ComicStudioでディスクトラブルが発生した時も、レイヤー単位でのサルベージが出来たことで結構修復できたんですが、CLIP STUDIO PAINTファイルを保存していたSSDが調子悪くなった時には、一部のページが開けなくなったことで、色々台無しになって凹みました(;´Д`)。
ComicStudioの保存形式は問題も多かったのは確かですが、自分としてはCLIP STUDIO PAINTの保存形式の方が被害発生時のダメージが大きくてきついかもです。
同人誌の総集編用に再構築中だったページファイルが幾つかダメになって、結局一からやり直しになったのが、精神的にこたえたです。。。

話しそれましたが、CLIP STUDIO PAINTの素材には色々と注文が多いのは確かです。せめて「お気に入り」と「履歴」は復活して欲しいなぁ…。

(この日のメモ)初日のトラブルは付き物(^_^;)

(4月24日記載)
DATの授業初日。二年生は新しい教室。しかもSkylakeのCore i7マシン!液タブも最新のCintiqなのでこれは捗る~!…と思ったら、いきなりトラブル(^_^;)。

CLIP STUDIO PAINTのシリアル認証が通ってませんでした。

CLIP STUDIO PAINTの認証は、アカウント単位で行わなければいけないようになっているんですが、学科ごとにアカウントを発行している環境で、マンガコースのアカウントでの認証をしていなかったみたいです。
運悪いことにパソコン関係の管理を行っている職員さんが休みだったので、ちょっとパニック(;´Д`)。急いで確認してもらって認証作業が完了するまで三十分位でなんとかなったので、大きな支障は生じませんでした。

問題は一年生の教室…1~2限スタート直前で、タブレットドライバのインストールを急遽行うという対応をしていたので、もしかしたらこちらもマンガのアカウントでシリアル認証通っていないだろうな…と予測。
午後からの授業に入る前の40分間の昼休みで対応するしか無いんですが、20数台のシリアルを入れるだけで済むなら十分間に合うはず…だったんですが、そうは問屋が卸しませんでした。・゚・(ノ∀`)・゚・。。。。

CLIP STUDIOの起動時の「素材の展開(データベース構築)」が終わってませんでした。

これはかなりキツかった。
これが終わってからでないとCLIP STUDIO PAINTの起動ができないので、シリアル認証はその後。授業開始時間になっても素材の展開が終わらず、教室の外で一年生を待たせるハメに…(´;ω;`)。
全員を教室に入れてから、各自にシリアル番号をプリントした用紙を配って入力してもらうという最終手段を取ることに…。

これはちょっとかわいそうな目に合わせてしまったかな、と正直凹みます。こういうスタート段階のトラブルが「不安感」や「苦手意識」を植えこむことになりはしないかと…

もう少し早い段階で自分が環境の確認をもっとしっかりしていたら、こんなことにはならなかったはずなので、次からは轍を踏まぬようにしなければ…です。

まぁ、デジタルの授業は「トラブル対応力」が結構重要かな、と自分は思ってます。おかげで結構鍛えられました。

 

【CLIP STUDIO PAINT】アナ→デジの指南

東美二年の初回授業は、「ペン入れまでアナログで行って、仕上げをデジタルで行う場合のルーチン」の実習です。作品制作をデジタル化する場合でも、すべてをデジタルでするのではなく、部分的にデジタルを導入するという方法があります。おそらく一番多いのは、ペン入れはアナログでトーンはデジタルというケースでしょう。

自分は既にオールデジタルで作業をやっているので、改めてアナ→デジという手順を普段から実践しているわけではありません。机上での方法しか分かっていないという状態です。
それでも経験上、ツールの機能さえ分かればより理想的なルーチンの組み方は解ります。それを元に授業の方向性を纏めておきます。

今回授業用にものすごく久しぶりに「アナログ原稿」を用意してみました。原稿用紙にペンとインクで久々に描いてみたのです。
時々カンを忘れないようにペンは握っていましたが、一ページまるまる描くのはすごく久しぶりでした。

正直かなりキツかったです。
何がキツかったのかといえば、「視力がすごく低下していること」と「UnDoとReDoが無いこと」でした(;´∀`)……


いや~…原稿用紙にかなり近づくか思い切り離れるか…そんな極端な見方でないと描けなくなっています。…視力低下酷い…。今の自分の眼鏡は「普段用」と「パソコン用」で、「机上用」には最適化されていないんです。・゚・(ノ∀`)・゚・。…。
そもそも、「さてペン入れするべ!」と思ってパイロット製図用インクの蓋を開けたら、見事に干からびていた事もちょっと衝撃(;´∀`)。少し蓋に隙間空いてたのかなぁ…(/_;)…。
幸にして唯一残していたカラーインク…ホルベインのスペシャルブラックがあったので使ったんですが、インクの乾きが早くて詰まりやすくて描きにくいったら…(´Д⊂ヽ…。。
元々自分のペン線は綺麗な方だとは思っていなかったので、こんな原稿晒すのはきついなぁ…と思いながらも、材料なきゃ話にならないので、とにかく頑張って描きました…(;´∀`)。。

さて、CLIP STUDIO PAINTにはPro版とEX版がありますが、複数ページを扱うことが出来るEX版には、ページ管理の機能だけでなく、「一括処理」系の機能が結構充実しています。

CLIP STUDIO PAINTから直接スキャナを起動させて連続スキャンすることも出来ますが、スキャンしたデータを単独で持っていたほうが後でやり直しが出来るので、出来れば最初にまず原稿をスキャンした画像ファイルを用意しておくほうが良さそうです。
スキャン時の解像度を、CLIP STUDIO PAINTの原稿の解像度と合わせておくというのはすごく大事。カラー原稿用の解像度(300dpi~350dpi)のままスキャンしてしまうケースもありそうなので要注意です。

スキャン画像のファイル名は、必ずちゃんと連番にしておきたい所です。
連番になっていれば、その番号順にページ番号に合わせて読み込んでくれます。

では、「ファイル」→「読み込み」→「一括読み込み」 で、複数のページを一気に読み込みますWindows一括スキャン一括読み込みするファイルを選択して「開く」を押して一括読み込みの開始です。

連続スキャン読み込み設定01一括読み込みのダイヤログが開きます。
ここで「ラスターレイヤーとして読み込む」のチェックをONにするかOFFにするか難しいところですが、自分のやってみた感触では、「画像素材レイヤー」を「ラスタライズ」する一手間が増えるとしても、OFFでやったほうが安全ではないかと思います。
何故かといえば、「スキャン画像が傾いていた時の傾き補正」「スキャン画像のリサイズ・移動」「万一キャンバスからはみ出て読み込んだ時のリカバリ」がやりやすいという点で、「ファイル」→「読み込み」→「画像」で「画像素材レイヤー」として読み込む方法と同等のほうが安全だと感じました。

この方法で読み込んだら、読み込み指定した画像のページ数分だけ、画像を配置して保存してくれます。

画像素材レイヤーとレイヤー+読み込んだレイヤーは、色深度が「カラー」か「グレー」なので、大抵「トーン化」されています。
「画像素材レイヤー」の場合も「ラスターレイヤー」の場合も、「モノクロ」でなければ、自動的に「トーン」アイコンが表示された状態になっています。

このレイヤーは線画として使いたいので、「トーン化」はオフにして、表現色を「カラー」「グレー」から「モノクロ」に変更します。

レイヤートーン化+
トーン化オフ+
次にレイヤーを「モノクロ」化します。レイヤーが「画像素材レイヤー」「ラスターレイヤー」の両方の場合を纏めてみました。レイヤーのカラーモードがグレーの場合は少し表示が変わります。レイプロ01+「色の閾値」を動かすことで、線の状態が変わります。左に動かすと細い線やゴミが飛んで、右に動かすとゴミや汚れが浮き出てきます。閾値スキャンした時の紙のうっすらとした汚れや紙の色、鉛筆の消し跡などは、この調整次第でかなり飛ばすことが出来ます。最初に「レベル補正」や「トーンカーブ」で調整してもいいんですが、スキャン状態が良ければ、わりとこれでなんとかなります。
「画像素材レイヤー」は、そのままでは直接修正ができないので、閾値調整が終わった段階くらいで「ラスタライズ」を行って「ラスターレイヤー」にして、それから「ゴミ取り」などの作業をします。

ゴミ取り関係は、ざっくりとした所はペンや消しゴムでやったほうがおそらく綺麗に仕上がりそうです。でもCLIP STUDIO PAINTには一応「ゴミ取り」のフィルタが付いています。画像の状態によっては使い手が有るかもしれません。
「フィルタ」→「線画修正」→「ゴミ取り」を選ぶとこんなダイアログが出てきます。ゴミ取りフィルタ「モノクロ(透明地に黒)」のレイヤーに「不透明度の点を消す」を使った例はこんな感じ…ゴミ取り01+「モノクロ(透明地に黒)」のレイヤーに「東名のアナを周囲の色で埋める」を使った例ゴミ取り03+ただ、高解像度のレイヤーに対してまるまる全体にこのフィルタをかけると処理がかなり重くなります。出来れば選択範囲を取って分けて処理する方が楽そうです。

こんな感じのことをプリントで長々とまとめました。今日の所はA4が9枚。普段は2~4枚なので、今回はさすがに多めです。

ちなみに、自分の授業用のプリント、みっちり手順を書きすぎると言われたことがあります。それなりに情報を入れている関係で「後で見りゃいいや」と思われて、結局「説明していないのと同じ」状況になる場合があるので、授業ではちょっと気をつけておきたいな…と常々思っていますが…これがなかなか…(;´∀`)。。。。

今日はみっちりお仕事中~

…というわけで、火急の仕事…ラフのチェックOKを待っていると間に合わないようなきがしたので、先行して作業中。
一枚絵の背景だけど、塗りをする人がわかりやすいように、レイヤー分けして描いています。昔とあるエロゲの背景を描いた時にレイヤー分けして描いたら、塗りの人が作業しやすかったとのことで、背景を描く時は極力パーツ分けするようにしています。

納品はPhotoshop形式ですが、制作はCLIP STUDIO PAINTです。
下絵属性と仕上げ属性をきちんと設定しておけば、psd形式で書き出す時、仕上げ属性のレイヤーだけを出力してくれるので便利。不要なレイヤをマスターのclipファイルでは削除ぜずに、最終仕上がりをミス無く出力出来るのは助かります。

その分余計に時間かかっちゃうのが欠点といえば欠点。でも忙しい時に単枚レイヤーでやっているとミスが増えるので、やはりレイヤー分け作業は欠かせません。

……ではお仕事に戻ります~(;´∀`)

 

パース定規修正~ラフ→主線入れ開始(03)

作画途中だったイラスト作業再開。明日から週末にかけては外に出る用事もあるし、その関係の準備もあるのでちょっと進みが遅くなるかもしれないなぁ…。
取り敢えずラフから…(01)
ラフを少し整理します…(02)

前回(02)の段階でのパースがどうもおかしいと感じたのは、垂直方向の消失点の位置というよりも、右方向・左方向のパースを無限遠にした時のその交差角度の問題のほうが大きいと感じたので、パース定規を変更。20160223-01
どのように変わったか並べてみると…20160223-03「見ている人の視点」を考えると、その人は「垂直方向の消失点の上」に立っていると見たほうが自然です。そう考えると、左の方のパースは外れ過ぎ。その場合だと「無限遠」にするのは間違っていることになります。

本来両方共無限遠にするのは、厳密には「垂直方向に一点透視」と同様の意味を持つので、画面内中央に垂直方向の消失点があるべきです。そういう意味では、修正後のパースも間違いです。
しかし今回は「それっぽく見せる」のが目的であるというのと、イラストの中で重要な意味を持つ「液晶モニタ面」をあまり極端なパースを掛けたくないという点を踏まえて、「見ている人の立っている位置」を意識して決めた消失点とうことで、このパースで作画することにしました。

キャラと椅子はもうこのままでいいとして、服も描く必要があります。せっかくなので体の線を出した服にします。机は「キーボードスライダ付きのパソコンテーブル」に変更。自分の机がそうだからなんですが、そうしたほうが「キーボードを全て描かなくて済む(;´∀`)」というのも理由だったりします。少しは省力化。その代わりにパソコン本体やマウスはそれっぽく描いておこうかな。20160223-02…ということで、ペン入れ段階に入りました。

ペン入れもパーツ毎に分けて描きます。特に前後関係があるものは分けて描きます。現時点では「液晶タブレット」と「キャラクター主線」を入れ始めた段階です。ちなみに、後調整しやすいようにベクターレイヤー使って描いています。

線画はさっさと終わらせて彩色に入りたいですね。

専門学校用試験問題作り

明日でデジタルアーツ東京の方の2015年度の授業が終了します。
2年は既に終わっているんですが、1年は2月にまで食い込んで、後期最後には一応「試験期間」が設けられています。通常は「平常点」や「実技」や「課題」を元に行いますが、今回は「実技課題」に加えて、簡単な試験問題なんぞ作っていました。
マンガ科は、それこそマンガやイラストを描く事こそが一番大事なんですが、デジタルの授業ともなれば最低限のソフトウエアの操作を理解しておいて欲しいということで、あまり応用的なものじゃなくて本当に基礎の基礎の部分の理解度の確認というか、普段配っているプリントや板書説明・デモンストレーション説明を見ているかどうかの確認といったほうがいいでしょうか、そういう側面からの「試験」を行うことにしました。

ちなみに、こんな感じの問題にしています。
試験内容はある程度「予告」していますが、受ける学生がこのブログ見ている可能性もあるので肝心の所はモザイクで(^_^;)20160217-00メニュー操作の手順をある程度把握しているかどうかという基本的な内容ですが、プリント見てもパソコン操作してもぐぐっても構わないという条件なので、さすがに解けなくはないハズ。20160217-01先日のバレンタイン絵を元にして作った問題。右上のモザイクで隠された部分は「レイヤーパレット」です。要はパレット上の各アイコンの意味を把握しているかどうかという問題。20160217-02右下のモザイクかかっているウインドウは「レイヤープロパティ」。
通常のラスターレイヤーを選んでいる時のレイヤープロパティの表示は凄くシンプルで「境界効果」「ライン抽出」「トーン」「レイヤーカラー」の4つ。「境界効果」を選んだ場合は「フチ」と「水彩効果」が選べます。
普段から良く使うところなので、すぐに分かるだろうと言う範囲の問題。

こんな感じの問題を全10問用意。おそらくものの10分もかからないだろうと思いますが、「試験するよ~」という告知によって、「復習」をしておいて欲しいというのが一番の狙いです。

この問題に加えてもう一つは「パース定規」を使った作図問題。これは既に告知済みの内容通りでこちらのほうがむしろ本題。20160217-03三面展開図を元にパース定規で図形を描くという問題。一応「二点透視」「ベクターレイヤー使用」「余力があれば光源決めて影処理」という条件付きです。

この三面だけでは裏側の構造が不明瞭なので、裏側を描いてお茶を濁すという方法を取られてしまったとしても間違いではないのが穴といえば穴ですが、もしそれを描いたとしても実はさほど問題はないのです。
チェックするところで特に重要なのは「パース定規の設定の仕方」と「グリッドの使い方」と「ベクターレイヤーの使い方」の三点で、そこが押さえられていて、かつ描画上ミスがなければ問題なかったりするのです。
ぶっちゃけ、トレースじゃなくパースを取ってきっちりと背景を描こうと思ったら、どんな複雑なものも、単純な図形の組み合わせで描けるハズ、という視点を持っておいたほうが自在だと思っています。それ故にそれらの点をしっかり理解しておいてほしいなぁというのが狙いなわけです。

授業用のプリント作ったりこういう問題を作ったりしながら、ふと思いついて今少しずつ書いているのは、「CLIP STUDIO PAINTパース定規の使い方(仮)」の同人用原稿。チュートリアル形式も混ぜつつ解説していくというのを試みています。目標は5月のコミティア公開。その前に少しずつpixivでも小出しにして行きたいなぁ。
ComicStudioのパース定規本の原稿を途中で断念したので、今度はきちんとしたい。一気に一冊にまとめるのではなく分冊でもいいかなと思っています。