五年くらい前の絵の蔵出しです。
とある新聞の連載記事の挿絵の営業用に絵を描いたことがありました。
ある方の紹介で、新聞のアダルト小説か記事の挿絵を描ける人を探しているので、応募してみてはという経緯だったと記憶しています。
最初から「マンガっぽい絵はダメ」らしいとの事だったので、ダメ元で頑張って描いてみました。顔の描き方は、自分の絵柄の範囲内で、出来るだけ「マンガ絵っぽくないように…」と意識したんですが、見事にダメ出しされてしまいました。
そして描き直したのはこちら。描いた後に思いました。
これ…俺の絵じゃない…。
もし採用されたら、この絵柄で描き続けることになるのかな?キツイな…と思っていたら、「こういう絵は求めていない」と言われて不採用となりました。
おそらくもう一度同じタッチで描けと言われたら、難しいと思います。
自分が長年描いて来て作り上げてきた自分の絵柄って、そう簡単に消すことは出来ないということがよくわかりました。
自分の絵柄を消そうと思っても、絵の癖はなかなか隠しきれるものではなくて、やっぱり随所随所にしっかり出るし、そのクセにいつもどおりの絵じゃないから妙な違和感がガッツリ残ってしまいます。
自分の絵を見たことがない人が見たら、こういう絵を描く人なのかなと思う程度なのかもしれませんが、自分としてはやっぱり「違う」ので、負け惜しみじゃなく不採用でホッとしたのも事実です。
自分の過去の絵を見たら、そりゃ今とかなり違っているんですが、根底に流れているテイストは変わっていません。時には自分の昔の絵を「下手だけど可愛く描けているなぁ」と自画自賛してしまうこともありますし…要は「好きな絵柄」を求めて今のような形になったのかなぁとも思っています。
でも、今の自分の絵柄、現時点ではちょっと好きじゃないんですよね…。ちょっとずつ変えている最中だったりするんです。