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【CLIP STUDIO PAINT】クリスタのトーン~授業用プリントより~

大きな山は大体超えました。
奥さんの原稿、あと少しでなんとか無事に終わりそうです。

そんなこんなで、特に話題が有るわけではないんですが、さんざん「授業のプリント」という話を出しているので、ほんの少し公開します。
結構時間に追われて作っているので、時に荒かったりミスがあったりすることも多いです(^_^;)。
そんな時は授業内で修正して、後日画像の修正やテキストの修正をして行って、何回かに分けて細かくブラッシュアップしています。

今回は「トーン」の基本についての話をした時のプリントです。
CLIP STUDIO PAINTはトーンがわかりにくいとかComicStudioと違いすぎててやだという声が聞こえてきます。実は自分も最初はそうでしたが、ある一線を超えた時に「ああ、なるほどね」と思うようになりました。
それでも、「こうだったらいいのに…」とComicStudioのトーンと比較して思うことがあるのは否めません。まぁそこら辺についてはおいおい話していくとして…。

それでは投下します。20150606-01ここで書いている「トーンレイヤー」の見方に戸惑う人も多いと思います。
実はレイヤーに関する情報がすぐに分かるようなビューになっているんですが、それを把握するまでには少し慣れるための時間が必要だと思います。

以前も少し書きましたが、「レイヤーマスク」のサムネイルの色(モノクロ)と、マスク操作時に使う選択色の矛盾に結構苦しめられました。
何の事はない、「レイヤーマスク」のサムネイルを無視して、ComicStudioと同じ様に「黒で描く」と「透明で描く」で操作できるんだ、ということさえ押さえておけば、取り敢えずはなんとかなるんですが、当初はトーンを削る(消す)のに「白」で描いて「???」ってなってしまうことが頻繁にありました。20150606-02Windows Snipping Toolを使ってスクリーンショットを取って、そのままそこで手書きで説明を書いたので、字が汚くて見づらいです。これは後日作りなおします。さすがに美しくないですから…(^_^;)。

ここで「他レイヤーを参照選択」を使っていますが、デフォルトの設定では、「領域拡張」が大きすぎるので二値原稿(モノクロ原稿)制作だとOFFにするか0.1くらいにしておくのがいいと追加説明しました。
後日「選択範囲」関係のプリント製作時に改めてそういう記載を書き加えました。

全然関係ない話ですが、「自動選択」ツールって「マジックワンド」って呼ぶんですよね。
アイコンもよく見ると「魔法の杖」の様になっています。
これって元々はPhotoshopでの呼称なんでしょうか?Photoshopでのショートカットは「W」。wamd=杖の頭文字なんですよね。最初に考えたのはやっぱりPhotoshopの開発者のKnoll兄弟なんでしょうか?
ちなみにComicStudioでのこの機能は「マジックワンド」と呼んでいます。

「タグ」での検索、項目が多すぎて絞り込みづらいです。名前でのソートも出来ないし…。
以前も要望で書きましたがソート機能をきちんと付けてくれないと、マジに使い勝手が悪すぎてダメダメです。早くComicStudioで出来たサムネイルのソート機能を搭載して下さい。20150606-03冒頭に書いている「トーン化」のことですが、CLIP STUDIO PAINTでの「トーン化」の意味と、広い意味での「トーン」の意味に違いがあるので、混乱が生じる可能性があります。
例えばIllustStudioでは、カラーのパターンも「トーン」と呼んでいました。レトラセットからCOLOR TONE SUPERというPANTONEカラートーンもありました。

CLIP STUDIO PAINTの場合、素材のプロパティの「トーン化」のチェックをせずに、基本色がカラーの書類に張り込んだ場合は、グレースケールならグレースケールのま ま、カラーならカラーのまま、つまりその色深度のまま貼られるという意味になっています。広い意味での「トーン」の概念なら、カラーのままでも「トーン」じゃないの?ってことになるんですが…

ところが、CLIP STUDIO PAINT上での「トーン」とは「トーン化」=「網・砂目などの一定のパターンで減色したもの」のことを指していて、厳密には一枚目に書いたように「ベタ塗りレイヤー」を「トーン化」したものを「トーン」レイヤーと呼んでいます。

ここに気付くまで、ちょっと混乱することがありましたが、「CLIP STUDIO PAINTには『トーン』という素材は存在しない。すべてのレイヤーを『トーン化』することが出来る」ということを理解できれば成程と思えるようになると思います。

それと、ここで説明している「塗りつぶしツール」の(基本塗り作業用)は、てっきりデフォルトで入っているものだとばかり思い込んでましたが、自分が登録したサブツールでした。ここは修正しておかないと…。20150606-04最後の貼り方の部分が結構大雑把ですが、一番最初の段階は「やってみよう」レベルなので、後は実習という段階に入ります。

ここでポイントなのは、【5】に書いていいる「トーンの貼り足し」「トーンの消し」の時に使う「選択色」の所です。特に「トーンの貼り足し」は「黒」でも「白」でもOKなんですね。
ここは出来れば、「黒と透明」しか選択できないようにビューが変わってくれてもいいんじゃないかなと思います。
二値で描くときには、「メインカラー・サブカラー」は「黒・白」で固定化したくなります。表現色が「モノクロ」のレイヤーを選択しているときは、その方が紛れがなくていいんですが…。
それが無理なら、せめて「メインカラー・サブカラー」を「黒・白」に戻せるアイコンがあればなぁと…。Photoshopにある奴ですよ。あれ欲しいと思っています。

こんな感じの「プリント放出」ってのも時々やるかもしれませんので、時々覗いていただけると嬉しいなと思っているブログ主でした(*‘ω‘ *)

ちなみに、このプリントで使っている画像は、データクラッシュして既にこの世に存在しません…。・゚・(ノ∀`)・゚・。

【休】ちょっち体調良くないかな?

今日はイマイチ体調は良くないです。
天気が変わった時には、血圧が変動して体調がイマイチになるので、そこら辺のような気がします。
今月はMRI検査とCT検査に加えて、市の胃がん検診も入ったので、しっかり見てもらっておかなきゃ(^_^;)。

さて、今日も気がつけば日付が変わってからのさかのぼり更新です。
今の自分にやること多いとは言っても、現役で週刊連載しているマンガ家さんに比べたら微々たるものです。自分もわずかながら週刊で連載した経験があるので、長期にわたっての連載がどれくらい大変なのかは十分想像できます。

昨日UPした授業用のサンプルイラストですが、トーンも貼っていないしベタも入れていませんが、ペン入れ段階でこんな感じになりました。

CLIP STUDIO PAINT EX

CLIP STUDIO PAINT EX

この線画だったら、カラー化も出来そうですが、まぁそれは気が向いたらということで。

何か画像を貼らないと寂しいので、なんとなく貼っているんですが、出来れば、もすこしちゃんとしたイラストを公開したいです。

 

【休】描き直し(^_^;)…

先週、授業で使う説明用サンプルとして、一枚イラスト(キャラクターデザイン風)を描いたんですが、そのファイルが読めなくなってしまい愕然となってしまうというトラブルを味わいました。20150602-02この「ねぐら☆なおのマイキャラ02.lip」…左の下描きを最期まで仕上げたファイルだったんですが…20150602-03

こんなアラートが出てしまって、開けなくなりましたorz…

原因はよくわかりませんが、ディスクの整理の為に何度かコピーを繰り返していたので、何らかのディスクトラブルなんだと思います。(一番古い1TBのHDDがちょっと怪しくて…。他にも幾つかファイル壊れていました。)

CLIP STUDIO PAINTで描いたマンガは有るには有るんですが、エロ絵が入っているので、授業内ではちょっと開示できないので、課題に合わせて描いた絵だったんですが…(^_^;)。。。

仕方がないので、急遽新たに描き直し。まだ未完成ですが、同じ絵を描くのもつまらないので、改めて描いてみました。
20150602-01こんな感じで描いています。

元々は以前落描きで描いたバストアップのイラストだったんですが、その絵を縮小して全身絵に描き直しです。

自分はComicStudioでもレイヤーを分けて描いていたので、CLIP STUDIO PAINTでもレイヤー分けで描きます。

でもこの調子でマンガを描くと相当ファイルがでかくなります。そのためファイルを保存するのも結構時間がかかることがあるので、ちょっといらいらすることも…。

ComicStudioではレイヤーを別々のファイルに分けて保存するので、作業途中での保存はあまり時間がかからずに済みます。更にはレイヤーのいずれかにトラブルが生じてファイルが読めなくなっても、生きたレイヤーがあれば、結構復旧できると言うメリットも有ります。
上のトラブルも、ComicStudioの様な保存形式だったら、ある程度復旧できたのになぁ…、なんて思ったりもしますが、まぁこればっかりは仕方ありません。
もし将来的にCLIP STUDIO PAINTがComicStudio形式保存に対応してくれるのならば、互換性がないレイヤー形式があったとしても、CLIP STUDIO PAINT形式と併せてComicStudio形式で保存しておくという保険をかけると思います。

ちなみに、一部のlipファイルが壊れてしまった場合、cmcを開いてページ管理ウインドウを閲覧することができなくなる場合があります。細かい現象の検証はまだやっていませんが、これもおそらくディスクトラブルによるファイルの破損が原因じゃないかと思います。

いずれにせよ、ファイルの保存とバックアップの体制をしっかりしておくに越したことはありませんね…。

初めてのMacOSX~クリスタ~…自分も試されている(^_^;) 

昨日のエントリーへのアクセスが凄く多かったので、クリスタの「トーン」について、多くの人が色々と思うところがあるんだろうな、ということを実感しました。

昨日授業用のプリントを作っている過程でちょっとまとめてみた「トーン化」の法則。
「法則」というと、ちょっと大げさだけど、理解するきっかけにはなると思います。

  • すべてのレイヤー/フォルダを「トーン化」することが出来ます。
    (ただしコマ枠フォルダを除く)

  • キャンバスに貼り付けた「素材」→「カラーパターン」「単色パターン」は、原則「トーン化」されます。

  • 貼り付けた読み込み画像も、原則「トーン化」されます。
    (「ファイル」→「読み込み」→「画像」/「画像からパターン」)

  • 「トーン化」は、キャンバスの「基本表現色」と「基本線数」に合わせて行われます。

  • 貼り付けて「トーン化」された「素材」はいつでも状態を変更できます。
    「操作」ツールの「ツールプロパティ」サイズ・タイリングの編集
    「レイヤープロパティ」トーン効果の編集

もっと色々と書きたいところだけど、明日金曜はいよいよ東美の一年生の授業がスタートなので、そろそろ休みます。

初めてのMacOSXと初めてのコンピュータグラフィック制作~CLIP STUDIO PAINTと初めてのスキャナ取り込みなので、情報量が多くてちょっと大変そう。自分の能力も試されているという覚悟で望みます。

そんなわけで、今日はホントに形だけの更新ですみませんm(__)m

クリスタの「トーン」の概念について…

人に伝えるためにまとめるという作業は、客観視できるようになるというのが大きなメリットですね。

授業用のプリントで「トーン」のことを説明しようと進めていて気付いたこと…。

そう思ったら「トーンの使い方」という視点で説明するのは正しいんだろうか、と思ってしまいました。

マンガを描くときに使う道具の一種なので「トーン」には違いないんですけど、CLIP STUDIO PAINTでは、「トーン」の概念を根本的に見なおして、もっと自在性を増すという方向で組み込んだ、という視点で捉えてみると、各ツールの挙動が結構腑に落ちるようになってきました。

凄く抽象的な言い方ですけど、好意的に見れば、セルシスが意図していることは、おそらく長期的なスパンでマンガ界の多様性に柔軟に対応できるアプリケーションにする、という位置づけにしたいんだろうな、と想像できます。

CLIP STUDIO PAINTでおそらく引っかかるツールの一つは「操作」ツールじゃないかなと思っています。
これが理解できるようになれば、おそらくCLIP STUDIO PAINTの操作に対しての戸惑いはかなり解消されるようにも想像できます。

例えば「トーン化」した「画像素材」の操作について…

「トーン化」そのものの調整は「レイヤープロパティ」で行いますが、「画像素材」そのものの操作(拡大・縮小・回転・タイリング)は「操作」の「オブジェクト」ツールプロパティの【画像素材編集中】で行うというわけです。

「タイリング」された「画像素材」を貼り付けると、変なところに「リサイズハンドル」が表示されてしまうので、

『 なぜこんな辺鄙なところに「リサイズハンドル」が表示されるんだよ! 』

…ってイライラしてる人も多いんじゃないでしょうか。(自分がまさにそうですw)

「操作」ツールにして「画像素材編集中」で「タイリング」をOFFにすると、基本パターンは「リサイズハンドル」の位置のみに表示されます。
逆に「素材のプロパティ」の「貼り付け動作」の「拡大縮小」をON、「タイリング」をOFFにして貼り付けたら、貼り付けた場所に「リサイズハンドル」が表示されます。20150527-01

貼った後に「タイリング」をONにしたら、「リサイズハンドル」の場所はそのままに、「タイリング」されるわけです。

あぁなるほど…

『 ベースとなる「画像素材」の位置に「リサイズハンドル」が表示される 』

ってことかな?

ということで実際に確認してみたところ、「リサイズハンドル」の表示位置には以下の様な法則がありました。

  • 「素材を貼り付ける」コマンド使用
    → キャンバスの中心
  • ドラッグ&ドロップで貼り付けた場合
    → ドロップ場所

…そう考えると、「リサイズハンドル」は変な位置に表示されるわけではないんですが、キャンバスの隅っこの領域に貼ったパターンの調整をするために、離れた場所の「リサイズハンドル」を操作するハメになるというのはやはり馴染めません。
「リサイズハンドル」を「タイリング」の時には自動的に操作しやすい別のUIに切り替わるという機能でもついてくれれば大分違うような気がします。

多くのユーザーが求めているのは、「目的に最適化されたツール」なわけですが、「ComicStudio」=「CLIP STUDIO PAINT」という図式では捉えることが出来ない人が多かった、というのが現実な訳です。
むずかしいですね…。ユーザーが今現在求めているものとメーカーが目指しているものが必ずしも一致しているわけではないという現実。

しかし、限定的な範囲ですが、移行に難色を示している人の意見を垣間見る限りは、マンガの描き方・スタイルなどが人によって全く違うと言っても、求めているものは案外共通項が多い様に見えます。
実際ComicStudioに搭載されていたのにCLIP STUDIO PAINTに搭載されていないという機能が有るのは事実だし、それが人によっては致命的な場合は移行を保留するのも頷けます。

またループしてしまうんですけど、セルシスさんは、移行を保留・断念している人の具体的な意見・視点をアンケートでも取って検証してみたほうがいいんじゃ無いかと思います。

「こうすればComicStudioでやっていたのと近い結果が得られますよ」というのが必ずしも最善の解決方法じゃないというケースも多々あるので…。

 

【休】CLIP STUDIO PAINTプリント格闘中

授業で使うCLIP STUDIO PAINTのプリント。
手を変え品を変えて、少しでもわかりやすくするために図版を用意しています。昨日も少し書いたけど、これがちょっと大変な作業。

今回「初めてのデジタル原稿制作」の授業になるので、ある程度デジタルの基礎知識も抑えておかなければ…という側面の解説も行っています。

プリント丸々は無理ですが一部を後悔…もとい公開。

「レイヤー」の話。
一昔前は「アニメのセル画のようなもの」という説明をしていましたが、今それが通用しなくなってきたので、少し具体的な図式を示したり、「模型」を見せたりするようにしています。

20150526-02「解像度」の話。
みっちり話すと凄く長くなってしまうので、簡潔に説明しようとしたら、こんな感じになってしまいました。
まだこれじゃないなぁって思ってますので、今後色々と試行錯誤して改定していくことになるでしょう。
(実際これも改定版です)20150526-03ちなみに「ppi」だとか「ドットピッチ」だとかも説明しようとしたら、無駄に長くなってしまって、余計にわけわからないくなってしまいました。

「CLIP STUDIO PAINTに画像を読み込んだ時の説明」
授業内で実際にやる予定の手順に従った説明。手取り足取り説明しようと試みると凄まじく長くなってしまうので、できるだけシンプルにしようとしてるんですが…なかなか難しい。
またもや無駄に長くなってしまいます。20150526-04デスクトップのスクリーンショットは自分のMacBookProです。
Dockは右側配置が好きです。アイコンが細かくなりすぎてちょっと視認性悪いです。

こんなことやりながら、もう片一方で嫌なトラブルに遭遇してしまいまいた。・゚・(ノ∀`)・゚・。20150526-0190ページ超の同人誌用のマンガ原稿と、ページ管理ファイル。cmcを読み込もうとしたら途中でエラーのアラートも出ずに読み込み中止。

わけがわからないのでlip単位で開くかどうか調べてみたら、一部のページが上のような状態になって、開けないという悪夢。やばいな。

取り敢えず、取れる措置を取りながら対応するしかない状況。一番古い内蔵1TBが既に危ない状況なのかもしれないなぁ…orz

【休】授業用クリスタのプリント作成

CLIP STUDIO PAINTの「トーン」と「テキスト」のプリント作ってたら、案の定結構時間喰ってしまいました。
思ったよりも大変だなぁ。簡潔にまとめるの結構難しい…。

また明日睡眠不足になるのやだから、今日のところはブログの更新は形だけにします。20150520-0120150520-02こんなかんじで作ってます。
公開するにはもっと校正した方がいいと思うので、現段階ではこそこそっと縮小版だけの公開…(^_^;)

 

【CLIP STUDIO PAINT】マスク関係の話

明日の授業の準備で手一杯になりました。睡眠時間減ったよ(^_^;)…

CLIP STUDIO PAINTの「コマ枠フォルダ」の事まとめていたら、結構時間がかかってしまいました。
実質ページ数はそれほどでもないけど、操作しながらスクショ取って加工して貼りこんで文章書いて…って、新規に作ってるのでちょっと大変です(^_^;)。。。。

しかし…やっぱりCLIP STUDIO PAINTのレイヤマスク…概念は基本的にはPhotoshopと同じ…はずなのに、挙動がPhotoshopとは逆なんです。

マスクの「黒」部分が隠されて、「白」部分が表示されるというのは、基本的に全く同じです。

Adobe Photoshop CS5 スクリーンショット

Adobe Photoshop CS5 スクリーンショット

Photoshopでは「描画色」「背景色」という概念なので、デフォルトの「描画色」=黒。「背景色」=白に設定してマスク上に「黒」で描けば、「マスク領域が増えて隠れる部分が増える」=「表示部分が減る」のです。

CLIP STUDIO PAINT スクリーンショット

CLIP STUDIO PAINT スクリーンショット

CLIP STUDIO PAINTでは「黒」「白」「透明」という違う概念ですが、マスク上に「黒」で描いてみたらPhotoshopと同じように「マスク領域が増える」のかと思えば、逆に「マスク領域が消えて隠れる部分が減る」=「表示部分が増える」のです。

CLIP STUDIO PAINT上でマスクを表示させた状態でやってみると、下図のように視覚的には「色が付いている所」=「黒」になっています。20150513-03
このマスクの「色が付いている所」には、実際は「黒」で描いても「白」でも描いても「色が付いている所」が削られます。つまり挙動としてはPhotoshopの「背景色」=「白」でマスクを描いているのと同じになります。
選択範囲を取って「塗りつぶし」をすると「黒か白で描く」のと同じ挙動になり、マスクエリアが減ります。

Photoshopの「描画色」=「黒」でマスクを描いているのと同じ挙動は、CLIP STUDIO PAINTでは「透明」で描いた時になります。
選択範囲を取って「切り取り」をすると「透明で描く」のと同じ挙動になり、マスクエリアが増えます。

Photoshopとマスク上の描画に対する概念が逆になっているわけです。

推測ですが、トーン上で「黒で描いて表示」「透明で描いて削る」というComicStudioでの直感的な挙動をCLIP STUDIO PAINTでも実現させるために、

  • 『 CLIP STUDIO PAINTの「メインカラー」&「サブカラー」 』
    ┃┃
  • 『 ComicStudioのトーンレイヤー上の「黒」と同様の挙動 』
  • 『 CLIP STUDIO PAINTの「透明」 』
    ┃┃
  • 『 ComicStudioのトーンレイヤー上の「透明」と同様の挙動 』

としたのかもしれません。

しかし結果的にこれは大きな混乱を招いているような気がします。
なにしろ、視覚的に見える「レイヤーマスク」や「表示されたマスク」上で「黒」「白」で描けばマスクが「白」になり、「透明」で描けばマスクが「黒」になるわけですから。

「トーン」のレイヤーパレット上の見かけの状態がComicStudioと同様にマスクを表示していない状態になり、かつ通常の「レイヤーマスク」上での挙動が『 「黒」で描けば「マスク領域が広がり」「白」「透明」で描けば「マスク領域が狭まる」 』なら、トーンはComicStudioと近い感覚になり、レイヤーマスクはPhotoshopのマスクと同様の操作性になるのになぁ…なんて勝手なことを言ってみますが…
…そうなると「トーン」上の「レイヤーマスク」の仕様と通常の「レイヤーマスク」の仕様が異なってしまうので、それはそれで難しい問題なのかもしれません。

ちなみに、ComicStudioのトーンワークの感覚が好きだという人は多く、自分も「トーン色」の感覚が凄く好きです。それで乗り換えられないという人が案外多い様に見受けられます。

CLIP STUDIO PAINTではトーンレイヤー上では「描画ツール」が反応せず「レイヤーマスク」を選択してはじめて「描画ツール」が効くようになり、しかもそこでは「メインカラー」と「サブカラー」と「透明」の3つが使える状態な訳です。
マスクが8bitグレーになったことがComicStudio時代とは根本的に大きく変わったところなので、各種仕様の変更が必要なのは分かるんですが、マスク上の描画関係の挙動は、マスク上の色と選択色の矛盾による混乱が結構ネックになっているような気がするので、ここをどう解決するかがポイントのような気がします。

【CLIP STUDIO PAINT】素材に「座標」を持たせたい

ComicStudioでレイヤー素材を登録した場合、無条件でその素材がページ内に配置されていた座標も合わせて記録してくれます。
この機能が非常に役立つのは、例えばマンガ家とアシのやりとりの時、ページ丸々を渡すのではなく、部分的な加筆やトーン作業をアシスタントが行って、レイヤーのみ素材として書き出してマンガ家側に渡し、素材を該当ページに貼り付ければ、全く同じ場所に復元できるという非常に効率的で安全な方法を取ることが出来ました。
ComicStudioでは作業している作品ファイルから、部分的にページファイルを差し替えするのは、時に致命的なトラブルを起こす危険があります。(案外そういうトラブルをよく耳にするので…)
そこで、ページの一部を「素材」としてやりとりする方法を取ることで、ファイル管理のトラブルの危険性は少なくなり、データのやり取りも事実上「差分」のみなので、ファイルも小さくて済むというメリットが有ります。

それ故に、CLIP STUDIO PAINTにも早く「素材書き出し」が付いてもらいたい、と製品発表当初から願っているんですが、残念ながらまだ実現はされていません。望み薄なのかなぁ…。「共同作業」の機能で自在にできるようになるのなら、それはそれでOKなんだけど…。

それともう一つ、CLIP STUDIO PAINTの素材登録は、普通のやり方で登録した場合、「座標」の情報は記録されません。
20150512-07
登録された素材をページに貼り付ける方法は、幾つかあります。

  • その内の一つはドラッグ&ドロップ。
  • もう一つは素材パレットのメニューからコマンド「素材をキャンバスに貼り付け」
  • (または貼り付けアイコン押下)

しかし、CLIP STUDIO PAINTの素材をキャンバスに貼り付けると、元あった場所の座標は記録されていないので、必ず用紙の中心に配置されてしまいます。

 

例えば、こういう素材(「体験授業用サンプル」というレイヤー)を特に何も考えず「素材」登録した場合どうなるか…。20150512-03

結果はこうなりました。20150512-05素材のプロパティの「素材のイメージ」にめいいっぱい絵が入っています。

この素材をページに貼り付けると、前述のとおり、そのページの真中に配置されます。しかし元の素材は三コマ目に入っているので、明らかに「座標がずれて」いるわけです。

この仕様はとても困るので、座標を記録する機能を搭載して欲しいと常々思っていましたが、現時点でも「座標」を記録する方法が有ることを最近知りました。
(既に有名で当たり前の方法だったら、自分はまだ知らなかった、勉強になったということで平謝りです。)

その方法を使って同じレイヤーを素材として記録した結果はこうなります。20150512-06

ちゃんとページの下部に絵が入っているのが「素材のイメージ」を見ればわかります。
ちなみに、元のレイヤーに追加したり加筆したりは一切していません。

この方法は「選択範囲」→「すべてを選択」してから、素材登録すればOK

やっとこさやり方がわかったわけです。
最近登録したある画像レイヤーが座標を記録していたので、てっきり「あぁ…やっとこの機能搭載されたのか」と思っていました。どうやらたまたま「すべてを選択」されていた状態だったのでしょうね。でも実際はまだ搭載されていなかったのです。
でも「全体を選択しておけば座標を記録出来る」という機能が、セルシスさんにとっては「搭載済み」(解決済み)とという意味を持つとすれば、「ちょっと待って!」と言わせていただきます。

座標はデフォルトで記録されるわけではないので、レイヤー画像を登録後にそのレイヤーに加筆したり統合したりして、再度元と同じ状態で再び登録することができなくなってしまった場合どうするのか…。
座標が記録されていないので登録時と同じ状態の画像を再度素材登録することは不可能になってしまいます。

そこでCLIP STUDIO PAINTへの要望~

  • 素材登録時には無条件で座標も合わせて記録して下さい!
  • または登録時のプロパティに、「座標を記録する」かどうかのチェックボックス(選択肢)を用意して下さい。
  • 素材を貼るときに、「座標通りに貼り付ける」と「用紙の中心に貼り付ける」などの複数の道を用意して下さい!

そんでもって再度要望~!

  • 素材のファイル書き出し機能をつけて下さい!
  • 素材の並び順をソートする機能をつけて下さい!

自分は結構「素材」の部分に対してはCLIP STUDIO PAINTは不十分だと思っています。これが原因で移行出来ていない人もいるんだろうなと感じます。

ホント頼んますよ~セルシスさま~(T人T) ナムナム

読み込みは完了→地道に加筆改稿~

昨日の続き~…

地道にコンバート作業をページ単位でやっていきました。

  1. Ver3で開く
  2. コマレイヤーを開く
  3. 中のマスキングレイヤーを削除
  4. コマを閉じる
  5. コマレイヤーを展開する
  6. 展開したレイヤーを新しく作ったフォルダに入れる
  7. コマが残っていたら(2)に戻る
  8. すべて展開終わったら別名で保存

20150511-00コンバート作業そのものはこんなかんじの手順です。作業の一部はアクションで出来るとはいえ、それはせいぜい(3)→(4)→(5)の作業くらいで、それ以外はひとつひとつ確認しながらになります。
それでも思ったよりも結構楽に出来ました。アクション機能ありがたやありがたや~!

Ver3で作ったデータの分だけでいいので、それほどびっくりする量ではありませんでした。これが三桁ページだとかなりきつそう…。
(…とは言え、これは今回の作業分だけで、Ver3で作った商業誌の原稿は大体200ページ位はあるはずで、こちらのコンバートはもっと慎重にならざるを得ません。)

書きだしたページファイルを、CLIP STUDIO PAINTのページ管理から「ページの読み込み」をします。一気に複数のページファイルを読み込むことはどうやら出来ないようなので、1ページずつの作業となります。20150511-01↑内容が成年向けなので、サムネイルは小さくしました(^_^;)

もちろん読み込んで終わりじゃ無くて、これから修正作業が入ります。20150511-02

コマレイヤーの中のマスキングレイヤーを削除しているので、こんな風にはみ出し部分を修正しなければいけないんですが、おそらく通常ならば各コマの枠線から選択範囲を作って、コマにマスクを掛けるのが手っ取り早いと思います。

しかし、ここはついでに加筆改稿さ行も入れるので、コマ枠レイヤーを用意して枠線を切り直して、若干の構成の変更を行ったほうが早そうな気がします。

まぁ自分の描いたマンガなんだから、やってみたら結構何とでもなるでしょう、って安直に考えていますが、果たして…?