色紙は苦手です

コミケなどの同人誌即売会で、たまにサインをお願いされる時があります。
いつも買いに来てくださる常連さんが、毎回スケッチブックを持ってきてお願いされることもあります。その時はスケブをめくって過去のサインを発見して「うわぁ~ん!。・゚・(ノ∀`)・゚・。」となることもあったりします(^_^;)。。。

でも、サインといえばやっぱり「色紙」が一般的でしょう。

色紙はもともとは短冊などと同じように書画用のものなので、一般的には表面は和紙が使われています。墨や水墨で文字や絵を描くものなので、漫画家のサインにはあまり向いていません。ペンは使えませんし、マジックはにじみが酷いです。鉛筆で下描きを描いてあとで消すということもちょっと困難です。サイン用に色紙を持ってきてくださる方の中には、この和紙の色紙の方も案外多くて、ちょっと悩ましい時があります。墨筆で一発描き~なんて恐ろしいことが出来るほど能力はないので、鉛筆画担ってしまうことも多いです。

スケッチブックが水彩画用紙だった場合は、鉛筆で下絵描いた後にマーカーで主線を引き、コピックで簡単に彩色をすることが出来ます。昔はイベントにもガッツリとコピック持って行ってた時期もあって、できるだけ色を入れていましたが、最近はあまりコピックを持って行かないので、結果的に和紙の色紙と同様に鉛筆画になってしまうことも多いです。

話し戻って、「色紙」の話。

実は専門学校で教鞭をとることになった時に、教室に飾る色紙を頼まれたことがありました。既に同僚の先生方の色紙が飾ってあってので、これは気合入れて描かねばと思って、頑張って描きました。
それでもさすがに何年も飾られているのを目にするのはちょっとした拷問です(笑)。描き直させてくれ~ってなっちゃうことも…

そんな折、昨年の頭(今年度2014年度の頭)に、色紙の衣替えをしたいとのことで、改めて依頼されたのです。よし今度こそもっとしっかりと…と思って頑張った結果は以下の通りです。

EPSON ES-7000H / PhotoshopCS5 補正

EPSON ES-7000H / PhotoshopCS5 補正

右上・左上に文字を入れていましたが消しています。紙の色合いが若干残っているので、そのままの色調にしています。

この彩色は、デジタル化にしたことで、従来の画材の多くを処分した中、手元に残しておきたいと思って今も時々使っているカラー画材の一つ「ペンてる Aquash」です。

これはクレヨンのように棒状の水彩顔料を、水彩色鉛筆のような感じで色を紙に乗せ、筆ペンのような形状の「水筆」を使って、伸ばしていくという使い方をする画材です。
この「水筆」は、持ち手の部分に「水」を入れて使います。持ち手をちゅ~っと押すと、筆先が水で潤うので、紙の上に色を載せていない水筆で水を伸ばして、その上に水筆の先に絵の具をつけてウエットインウエットの要領で色を伸ばしていくという感じで使います。

染料でなく顔料なので、和紙の上でも色を乗せやすくてぼかしも可能なので、和紙の色紙のカラーはもっぱらこれを使っています。

昔はカラーイラストは主にカラーインクを使っていました。使用していたのはホルベインの耐水性カラーインクと水性のルマカラーです。それ以外にも水彩色鉛筆や透明水彩絵の具やパステルなども使っていましたが、デジタルに完全移行してからは、それらのカラー画材は使用頻度が極端に減ってしまい、カラーインクなどは変質して色が悪くなってしまうので、結局人に譲りました。

デジタルで描くようになったとは言え、たまにアナログでカラー描きたくなります。そういう時にはお手軽べんりなアクアッシュが重宝しています。
ちなみにコピックも持っているんですけど、色数が少なくて本格的な活用はやってません。

苦手とは言え、せめて色紙だけでもアナログ絵で描いていないと、描き方忘れてしまいそうでちょっと怖いです。いくらデジタル化が進んだとはいえ、実際手でやっていることはアナログなんですよね。原点に戻って肉筆で描く事を忘れないようにするのも重要だと思っています。aこれは仙台の系列校用の色紙です。スキャンじゃなくて、携帯で撮影した小さい画像しか手元に残っていなくて残念。


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