【CLIP STUDIO PAINT】やっぱどうかと思う[.lip]と[.clip]の問題

CLIP STUDIO PAINT Ver1.5.0 のアップデート。その簡単なレビューを書いた時に書き漏らしていたんですが、Ver.1.5以降ではVer.1.4.3以前で開ける[.lip」形式の保存ができないという問題について、既に多くの人が気付いているとは思いましたが、すごく腑に落ちない点があるので、書かせていただきます。

学校では旧バージョンのまま運用している関係で、自宅で新バージョンをインストールしている人は要注意という意味のアナウンスをして置かなければと、プリントを作成して、木曜・金曜のそれぞれ二つの学校の授業で配布しました。

自分が検証した時は「別名で保存」で[.clip]の拡張子がついた新しい保存形式でしか保存できない、という点だけ書いていました。
1.5以降対応のファイルが無条件で[.clip]の拡張子になって、それ以前のファイルは[.lip]だよっていうのなら使い分けや管理もなんとかなりますが、致命的な「罠」が仕掛けられていたのには参りました。

1.4.3以前と1.5.0以降が共存している環境下で、意識的にそれぞれのバージョンを起動切り分けしているのならある程度コントロールできるんですが、全員が全員そうだとはいえません。
例えば、CLIP STUDIO PAINTの1.4.3以前で保存した[.lip」ファイルをダブルクリックしたら、より新しいバージョンのCLIP STUDIO PAINTが起動します。つまり1.5.0以降が起動してしまうのです。
1.5.0以降をインストールした環境下で[.lip]ファイルをダブルクリックで開こうとすると、以下の様なアラートが表示されます。1.5で開く旧ファイルアラートここで「再表示しない」のチェックを入れてしまうと、このアラートは出なくなってしまいますが、ここで重要なのは、「このファイルに上書き保存をすると、」という記載です。
つまり「Ver.1.5以降では旧バージョンの[.lip]ファイルを上書き保存することが出来る」という意味なんですが、ここで大きな疑問が生じます。

1.5.0以降だったら、拡張子は[.clip]になるんじゃないの?

新規保存や別名保存なら[.clip]となるので、拡張子で制作したCLIP STUDIO PAINTのバージョンがわかります。自分はてっきり、「上書き保存」しようとしたら、[.clip]で保存します。という意味のメッセージが出るものだとばかり思っていました。それならば「拡張子で住み分け出来る」ので管理上の問題はある程度解決できるとばかり思っていました。

しかしなんと、「拡張子はそのままで1.5以降の形式に書き換えられてしまう」のです。

1.5ファイルを1.4で開くアラート
その場合、たとえ拡張子が[.lip]のままでも、中身は1.5以降の[.clip]形式になっているので、上書き保存したファイルは、今後1.4.3以前では開けなくなってしまい、左図のような悲しいアラートがでてしまうのです。

自分は「上書き保存」を今までやっていなかったので、このことに気付きませんでした。

これはしっかりと「アナウンス」しておかなければ、学校で絶対トラブルが発生する、と思ってプリントを用意したのですが……

既にちょっとタイミングが遅かったようでした…。

実際に学校と自宅の両方で作業をしている何名かの学生が、この罠にひっかかてしまったそうです。

運悪く自分の受け持ちの授業が終了した状態だったので、直接アナウンスするタイミングが無かったのも災いしました。
学校側では年度替わりまではシステムの更新は行えないので、現時点ではバージョンは更新されていません。そのため、[.lip]ファイルなのにCLIP STUDIO PAINTで開けない事で、課題の確認作業や提出、学校でのCLIP STUDIO PAINTからのB4サイズでのレーザープリンタ出力などが不可能となってしまいます。

新バージョンでの最初の「再表示しない」のチェックボックスを特に深く意識せずに押してしまったまま進めてしまい、旧バージョンで開こうとして「対応していない」と出てパニック…。十分考えられたことです。

出来れば、以下の様な対応をしておいて欲しかった…

  • 「上書き保存」をしようとした時には、「最適化保存」と同じ様に、保存は出来ないようにして欲しかった。
  • 「上書き保存」をさせる場合でも、せめてもう一度警告アラートを出すようにするべきだった。
  • 「上書き保存」しようとしても、強制的に拡張子は[.clip]に変更して「別名保存」して欲しかった。
  • そもそも旧バージョン形式[.lip]形式での保存が可能にしておいて欲しかった。

この仕様はハッキリ言ってかなり問題があるのではないかと思います。違う拡張子で統一されているのなら、まだギリギリ納得できたんですが、流石に拡張子同じままで上書き保存出来てしまうのは……

すべての環境ですぐに最新版にアップデートできるとは限りません。古いバージョンを入れたままで使う環境もあり得るのです。
この問題には、出来るだけ早い段階の対応を臨みたいと思います。

●追記●
以下配布プリントの一部です。こんな感じで配布しました。

20151119


コメントを残す