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黎明期のデジタルカラー原稿の入稿方法

エロマンガの現場、大休刊号の中でもちょっと話していますが、カラー原稿をデジタルでやるようになった当初、まだいくつかの出版社はデータ入稿に対応していなかったため、プリントアウトしたものを入稿版下にしていました。

デジタルで描いたカラーを版下にするために買ったプリンタは、A3ノビがプリントできるプリンタ…おそらくEPSONのMJ-5000Cだったと思います。1枚プリントするのに凄く時間かかって編集さんを待たせてしまった痛い記憶が…。
更に
は、インクジェット特有のドットが印刷結果にモロに出てかなり汚くて愕然とし痛い記憶も…
でもデータ入稿できない以上、何らかの形でプリントしなきゃいけないので、ある時期から大宮のとある出力センターでプリントアウトをお願いしていました。
そこに置いていたのは、当時憧れだった超高価な昇華型プリンタ、住友スリーエム社製の3Mレインボーでした。

昇華型といえば、当時デジタル絵描きさんの中では定番だったプリンタは、アルプスのマイクロドライシリーズです。私もMD-2000を購入して使っていましたが、プリントアウト出来るのはA4までなので版下には使えません。実際には使えないことはなかったんでしょうけど、原稿サイズB4が基本でしたから…。

話し戻って3Mレインボー。さすがに個人で購入するには敷居がかなり高いプリンタでした。
なにしろ、普及型で200万、汎用型で300万という、それは車の価格ですかってくらい高いものでした。
アルプスのMDシリーズの昇華型プリントは、リボンを往復させる方法なので、プロセスカラーのCMYKのインクリボンをセットする形でしたが、この3Mレインボーは、A3サイズのCMYKのインクシートを使うので、凄くランニングコストが高くて、一枚のプリントアウト出力の価格が3000円でした。インクシートの原価で1500円~2000円位だと伺っていたので、もし個人で導入するにしてもランニングコストが恐ろしく高くて軽々しくプリントアウトなんぞ出来ません(^_^;)。

そんな3Mレインボーでプリントアウトした「版下」が原稿のお蔵出しで出てきました。

PENTAX MX-1

PENTAX MX-1

原稿は単行本未収録作品で、ワニマガジン社のエロトピアに連載していたものです。

PENTAX MX-1 / PhotoshopCS5 トリミング

PENTAX MX-1 / PhotoshopCS5 トリミング

原稿の裏側を見ると、専用用紙の証である「RAINBOW SYSTEM BASE MATERIAL 3M」の地紋があります。
このプリントアウト版下、当時は最高の出力クオリティだと思っていましたが、実際にUPで見てみると…。

PENTAX MX-1

PENTAX MX-1

ちょっと、肌色の部分にざらつきがあるのがわかります。
スキャンしてみた結果、以下の様な感じになっています。

CANON iRC2550C / Photoshop CS5

CANON iRC2550C / Photoshop CS5

ちなみに元のデータを探して見つけたので、データの方を見てみるとこんな感じです。

Photoshop CS5 トリミング

Photoshop CS5 トリミング

元のデータはCMYKだったので、パッと見の色再現性は比較的良好だとは思いますが、肌の部分を見るとシアンとブラックが入っているような感じがします。
元のデータを見ると、CチャンネルとKチャンネルの該当部分は真っ白です。マゼンタとイエローの混色でこの色は出ないはずなので、当時の印字結果が実際にこうだったかちょっと思い出せません。もしかしたらこれは経年による劣化なのかもしれませんが、プリントの白の部分には特に何も入っていないので、今となっては何とも言えませんが…。

実は過去原稿を整理する上で、カラーデータが紛失したり破損したりしている可能性もあるので、その場合こういうプリントアウト原稿をスキャンする必要があるだろうなと思って確認してみたら、当時すごく綺麗だと思っていた3Mレインボーのプリントが、思ったよりも悪いことにちょっと驚いているのです。

これはまさにデジタル技術の進歩の賜物なのかもしれませんね。

当時(1990年代)のインクジェットは、ドットがはっきり判るくらい荒かったので、昇華型のスムーズなグラデーションや淡い色の再現性は願ってもないものでした。
でも今のインクジェットプリンタは完全版下としても十分通用するくらいの高いクオリティになっています。場合によってはプロセスカラーのCMYKでは表現不可能な色も、特色インクを加える事で再現出来るようになっています。如何にRGBカラーの写真を忠実に印字するかを追求して得られた、このクオリティの高さは目を見張るものがあって、改めて驚きます。
ちなみに今使っているインクジェットプリンタはCANONのiP4830でCMYK+Kの五色です。

これから少しずつ原稿のスキャンを行ってアーカイブ化していこうと思っていますが、その際に過去のデータを引っ張りだす作業も徐々に行う予定です。
心配なのは、無事にファイルが開くのかどうかです。

今回のデータも、実はMacで作成してJAZドライブに保存していたものを、約十年程前にサルベージしてCD-Rに焼いたデータから拾い出しました。
もしCS-RをHFSで焼いていたら、Windowsで開けないかもと思ってましたが、幸にしてちゃんとWindowsでも開ける形式で焼いていた様で、ディスクが開けてホッとしてます。

拡張子が付いてなかったのは、まぁご愛嬌ということで(^_^;)。。。

Windows7 Snipping Tool

Windows7 Snipping Tool

下描き→ペン入れのジレンマ

絵を描いてて時々感じる現象…

「下描きで、結構いい感じに描けたのに、ペン入れしたらダメになった」

これ、下描きでは多くの線が重なりあっているので、眼と脳が一番理想的な線を多くの線の中から見つけて無意識に補完してしまうから上手く描けた様に感じるとか…。
その一方、ペン入れでは実際に一番理想的な線をたどることが出来なくて、結局劣化したように感じてしまうという事らしいです。

要は「一番理想的な線を引くことが出来ない」=「力量が不足している」ってことなんですよね…。正直それは否めません。独学で下手クソなまま長年描いて来たので、悪い癖が染み付いてしまっていて、自分が欲しい線を思う通りに拾えないジレンマに陥ることがよくあります。

そんな実例を少し…

HDD内のファイルを整理していたら、一昨年の夏くらいにCLIP STUDIO PAINTで何気なく描いたラフ画が見つかりました。この状態で放置したままです。

CLIP STUDIO PAINT EX / Windows7 Snipping Tool

CLIP STUDIO PAINT EX / Windows7 Snipping Tool

その顔部分のUPです。

CLIP STUDIO PAINT EX / Windows7 Snipping Tool

CLIP STUDIO PAINT EX / Windows7 Snipping Tool

ちょっと今回服を季節に合わせて変更していますが、顔はそこそこ可愛く描いているんじゃないかなとは思っています。

実はこのラフ画、ペン入れ途中で放置していました。

CLIP STUDIO PAINTの二値化ペンの練習のつもりだったみたいで、データを見ると試行錯誤していた跡がありました。

せっかくなので、先程ちょろっとペン入れを進めてみた結果……

CLIP STUDIO PAINT EX / Windows7 Snipping Tool

CLIP STUDIO PAINT EX / Windows7 Snipping Tool

なんだか大分イメージが変わってしまいました…。
これじゃない…、あんまり可愛くない…。なんでこんなになっちゃうんだろう…ってちょっとしたジレンマを味わっています。

多くの漫画家さんがそうであるように、目で絵柄が決まると言ってもいいくらいですが、自分の絵の場合は目の描き方は結構大きなポイントでもあるので、結構試行錯誤を繰り返しています。
デジタルだとついつい細かいところもみっちり描いてしまうので、目の描き方が昔とは結構変わっていて、それも影響しているのかもしれません。

また、CLIP STUDIO PAINTの二値の線がどうも馴染んでいないというのも影響しています。アンチエイリアスをONにした線はかなり思ったとおりの線が出やすいんですが、二値の線はいくら描いても感触が違います。ComicStudioとはエンジンが違うというのも有るんでしょうけど、個人的にはComicStudioのタッチの邦画好きなので、その線が出せていないというのも原因の一つです。

弘法筆を選ばずとは言いますが、ツールが変われば結果も変わってしまうものです。
思ったように描けなくなるのはある程度は織り込み済みながらも、その中で理想的な線を求めていくしか無いので、ペン入れをした結果「よし最高のペン入れが出来た!」と思える様に、理想とする線が引けるように、今後も試行錯誤していく事になりそうです。

でも、昔と今と大きく変わっていない点が一つあります。それは、必ず「目キラ」を入れているってことなんですよねw(^_^;)。

2015年版名刺(^_^;)

明日とある新年会があるので、名刺を作りました。

パソコンでデザインして自宅でプリントアウトが出来る時代になってから、ずっとオリジナルで名刺を作っています。
漫画家の名刺なので、やはり漫画家らしく絵を入れています。

実は大体毎年一回、最近描いたカラーイラストを流用して、新しいバージョンの名刺を作りなおしています。自分でも今まで何種類くらい作ったか覚えていないくらい作りました。

最近は仕事でも実際に一回も顔を合わさないまま進めるということも有るくらいなので、名刺の消費ペースは凄く減りました。
昔はよく会う知人に会うたびに「新しい名刺作った?」と聞かれたことがありましたけど、昔ほど外で人に会うことが無くなったので、何らかの新年会や忘年会や学校の謝恩会などでしか使いません。

シンプルな名刺を使っていらっしゃる漫画家さんも多いですが、オリジナルのカラフルなオリジナル名刺を拝見することも多いです。
最近はSNSのアカウントを記載しただけのシンプルなものも多いですが、自分は仕事でも使えるようにとガッツリと住所や電話番号も入れています。

PENTAX MX-1 / PhotoshopCS5 トリミング・加工

PENTAX MX-1 / PhotoshopCS5 トリミング・加工

ここ最近の名刺を並べてみました。公開できない個人情報の部分はモザイクかけています、あしからずです。
年賀状で使った画像や同人誌で使った画像をそのまま流用するケースが多いです。改めて名刺用に描きおろししたいと思いつつも、作るタイミングが人と会う前日だったりするのでついつい使い回しに…(^_^;)
以前はIllustratorで作ったりしていましたが、印刷してカットするのが面倒なので、最初からエレコムの名刺サイズの専用用紙と対応ソフト使って作っています。
画像はラベル作成ソフトに「背景画」として読み込み、その上に文字と小さいアイコン画像を配置するという作り方なので、最初にPhotoshopで地紋デザインを作ります。
今回は年賀状用の画像と、素材集の和柄地紋を合成して作りました。

CLIP STUDIO PAINT EX / PhotoshopCS5

CLIP STUDIO PAINT EX / PhotoshopCS5

短い時間でちゃちゃっと手っ取り早く作っちゃうので、デザインレイアウトはほんと安易ですが、割りと作るの楽しんでいます。
もっとじっくり時間取れれば名刺用に絵を描きたいですね。
しっかりと作って外に印刷に出すのもいいんだけど、同人誌やペーパー類と違うので、たくさん作りすぎても安易に配って在庫を減らす事が出来るものじゃないから、さすがにたくさん印刷することは出来ないなぁ…。
長い間使い続けてもいいこれだって思えるデザインができるまでは、今のように20枚程度自宅プリントアウトして、使い切りするのが手頃かなぁと思ってます。

PIXIVへ年賀関係投稿

PIXIVへ2015年年賀関係のイラストを投稿しました。

某神社用絵馬看板原画(平成27年版) by ねぐら☆なお on pixiv

こちらは伊佐爾波神社用の干支絵馬の原画のイラスト部分です。 実際にはこんな感じで使われています。

伊佐爾波神社写真帳・午(うま)から未(ひつじ)へ (2014/12/28) の記事画像

伊佐爾波神社写真帳より

伊佐爾波神社写真帳 2014-12-28記事 午(うま)から未(ひつじ)へ 」より。
絵馬看板は縦1.8メートル・横2.7メートルのサイズです。結構大きい!
羊の足部分が若干キレるだろうなと思ったらやっぱり少し切れました。これは想定の範囲内でした。
ちなみに文字は「開運招福」「伊佐爾波神社奉納」「乙未平成弐拾漆年」と書いています。篆書体アレンジですが、ちょっとなんちゃって篆書の部分もあるので、突っ込まれたら負けます(^_^;)。。。。

年賀状用の絵は既にUPしていますが、PIXIVへの投稿画像は、文字の部分を「迎春」から「がしょう」に変更して、細かいレイアウトを若干調整しました。背景描くという手もあったんだけど、俯瞰なのでかえって地味になりそうなので止めました。

さすがにちょっとPIXIVへの投稿頻度が低すぎてダメですね。今年はもっと色々と投稿したいです。

なんとか新刊出せるかも知れない?(^_^;)。。。

有馬記念はジェンティルドンナが見事に引退の花道を飾りました。強いね~彼女は。
ちなみに自分はジャスタウェイ・トゥザワールド・ゴールドシップ・フェノーメノ・ウインバリアシオン推しでした(^_^;)

さて、問題のコミケ用の原稿ですが、有馬とフィギュア見ながらカキカキしてなんとなくめどが立ってきました。まぁページ的にはほんのちょっとですができるだけ密度濃く描いておこうかなと思っています。今晩中にはめどが立つんじゃないかなと。

Windows7 Snipping Tool

Windows7 Snipping Tool

こんな感じの原稿描いています。着物は模様描く時間がないのでトーンです。。・゚・(ノ∀`)・゚・。

コピー誌「ABC LIVING WINTER ひめはじめ」。8ページ前後で200円ってところかな?
まだ未定ですけど。

引き続き原稿描きます。はい。

 

冬コミ…間に合うか微妙…

夏コミ前から描きかけの作品が、作画途中までの段階でどうしても看過できないミスが有ることが分かって、修正を施していたら思ってたよりも時間がかかりそうだったので保留して、先に片付けなければならない作業をやっていたら、気が付くとクリスマス終わってましたという感じです。

冬の新刊は事実上厳しいと思っているんですが、それでもやれるとこまではやっておきたいと思って、新たに短編を描いています。

Windows7 Snipping Tool

Windows7 Snipping Tool

そう思って描き始めたら妙に時間がかかるwww。なんだろうね、昔に比べて原稿描く速度が落ちました。
デジタルだと妙に細かいところに気が入りすぎてしまうのも有るのかもしれませんし、慢性的な肩こり腕の痛み視力の低下など若いころと違う肉体的な衰えも影響が出ているのかもしれません。

でも自分でやると決めたことはやり遂げないと…。

「女中哀歌」は大筋は決まっているので、確実に描いていくことにします。
企画でポシャったあるアイディア(ネーム)を切り直して投稿を考えています。
ちょっと前に描いていたある原稿も、見直して何らかの形で発表に繋げるつもりで準備中です。

今年は、新規で始めた仕事がそこそこ評価して頂いているようなので、来年は更にそちらの仕事が増えそうです。

でもとにかく漫画描きます。描きたいです。描いていると幸せなので…。

干支絵馬完成~(^o^)/

クリスマスイブだけど、引き続き干支絵を描いてました。
イブの早朝最速が来ちゃいました。その段階でまだやっと線画が終わったくらいだったので、集中して作業して、なんとか日付が変わる頃にUP(^_^;)

Nao Neguraさん(@naonegura)が投稿した写真


文字を外したらこんな感じです。

CLIP STUDIO PAINT EX

CLIP STUDIO PAINT EX

羊がコピペ増殖が判るレベルになってしまったのは、ちょっと悔しいですが、なんとか納期までにUP.(と言いながら、毎年いつもぎりぎりで迷惑かけています…)

これでやっとコミケコピー誌に取り掛かれます。・゚・(ノ∀`)・゚・。。どこまで出来るかなぁ…?

あぁ!来年の年賀状の用意もしなきゃ…

 

来年の干支は「未」

もう何年になるだろう?二回りくらいやってるかも。

愛媛県松山市の道後温泉のそばにある伊佐爾波神社の絵馬の原画を描いています。

PENTAX K-3 / DA16-45mm f4 /  f22 1/50sec iso100 21mm / 2014年4月10日撮影

PENTAX K-3 / DA16-45mm f4 / f22 1/50sec iso100 21mm / 2014年4月10日撮影

この神社の宮司さんの奥さんが私の従姉妹にあたる関係で、高校~大学の頃は年末年始はここの社務所でお手伝いしていました。
その後絵の仕事をするようになって、この写真のように神社の横に掲示している大型絵馬看板の原画を担当することになりました。身内ですが仕事として受けています。

今年もその原画を早々に仕上げなきゃならないので、今作業しています。
冬コミのコピー誌の原稿、まだ出来てないけど、こちらを先に済まさなければ先に進みません。

Windows7 Snipping Tool

Windows7 Snipping Tool

クリスマスまでにはUPしなければ…